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Epiphanie エピファニー 解説

Epiphanie エピファニー、ご公現祭は、キリスト誕生を祝福するために東方より三博士が来訪したことをお祝いする日です。

↓こんな絵を見かけることも多いと思います。クリスマスカードにもよく使用されていますね。
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これはフランス国立図書館蔵の1400年ごろのスペインはカタロニアの写本です。

  さて、このエピファニーはマテオの福音に詳しく出てくるのですが、この三人の博士(フランス語ではROIS Mages ロワ・マージュ)は名前をガスパール、メルキオール、バルタザールといい、順番に年配で白人、黄色人、黒人。(上の画像ではどれが誰だか判りません!)東方つまりオリエンタルな人たち(とも思えないけど・笑)で、ユダヤ以外の世界を象徴していることになっています。持参した贈り物は、ミルラという香木の樹脂、お香、金(ゴールド)が入っています。ミルラは遺体の防腐剤として使用されていたもので、キリストの将来の苦難を表し、お香は現在でもミサなどで使用しますが神聖なるものの象徴、そして金は現世の豊かさを表しています。 実はこれこそがクリスマスプレゼントの由来で、今でもスペインやイタリアではエピファニーに子供達にプレゼントするのが普通のことのようです。

  1月6日がその日なのですが、最近教会では1月の第一日曜をその日に当てています。今年はちょうど6日。

  もともとはクリスマスが民間信仰の冬至の行事と合わさって今日に至ったように、このエピファニーも同様。これで一応クリスマスはおしまいで、長く暗かった冬も終りに近づくというローマ人たちのお祭りでした。(ローマ人に限らず、あちこちで似たような習慣はあったようです)

  この日にGALETTE DES ROIS ガレット・デ・ロワというお菓子を食べ、中にフェーヴというものを入れるのがフランスの習慣です。フェーヴはそら豆の一種で、古代から食されており、昔は貧困な土地でもこの豆を蒔くと肥沃になるとかいったことから、豊作を願ってのことだったようですが、近年は焼き物の小さなお人形などを入れるようになりました。
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  家庭ではまづ、父親がそこにいる人数分+1切り分け、最年少者が机の下に隠れてそれは誰それにと言って分け与えます。余分の一切れは貧しい人のためなどどされています。
フェーヴを当てると、その場で王様か女王様になり、相手を選んだりという余興付き。だから必ず王冠を用意します。このロワ(ROIS)はロワ・マージュからとったもの、または古代からある冬と決別して太陽をあがめる日に1日だけの王様を選んだ習慣や、さまざまなものが合わさっています。フランス革命の直後は、王様ということで危うく廃止されてしまいそうにもなったとか。
 
  というわけで、ガレットを買うと必ず王冠が付いてきて、また、食べる前にそのままオーブンで軽く暖めなおすための紙袋に入れてくれます。

  以上、ざっとエピファニーの解説でした。まだフランスの文化や習慣を詳しくご存知ない方や、あやふやだった方には何かの参考になればと思います。
今年は新作としてそのEpiphanieの作品を用意し、何人かが挑戦してくださったので、それは続編の記事でご紹介します。